帝王切開後の産婦の足首の痛みと腰痛[ケースレポート]
30代後半 女性
帝王切開後の産婦の足首の痛みと腰痛
[ 経過 ]
3か月前に第二子を出産。
( 第一子は自然分娩)
出産の際に子宮孔が開かず、
胎児の危険性も踏まえて
帝王切開に切り替えての出産。
第一子の産後の回復に比べて、
回復に時間がかかっている。
妊娠前・妊娠時におなかが
大きくなっても腰痛はなかったが、
産後、育児後に腰痛をはじめて経験。
産後、1か月で足首に痛み。
2か月には膝が痛む出す。
現在は、足首の痛みは落ち着き、
立ち上がるために強い膝の痛みがある。
足のむくみが取れない(慢性化)。
[ 悪化原因 ]
・立ち上がる際の膝が痛み
・正座や膝に圧をかけるような座り方(正座/横ずわり)
・仰向けで寝た際に腰の痛み
[ 緩和要因 ]
・膝に負荷がかからない姿勢
・横にならなければ腰は気にならない
[ 姿勢評価 ]
・反り腰
・足首の回内足(足アーチがなくなる)
・足首の痛みを避けるようにし、
重心の位置が足底の前にかかる。
それに伴い、
ふくらはぎの筋肉が過剰に緊張。
[ 考えられる要因 ]
通常、出産自体とてもストレスが大きいものですが、
特に自然分娩から帝王切開に切り替えた為に
肉体的にも精神的に大きな負担があった。
第一子の出産の際はあっという間に生まれたが、
1分1分が長く感じたとおっしゃいました。
精神的、さらには
身体的なストレスの為に
通常より物理的な産後の回復に
支障をきたしている可能性があります。
慢性的なストレスの抱えている方に多い、
足首の安定性がそこなられていたことからも
伺えました。
足首の不安定性から
足首の痛み・
膝の痛みが起こったと考えられます。
また、もう一つの原因としては、
帝王切開による腹部筋肉の弱化です。
縦に傷跡があり、腹部筋群の
修復がままならないまま立ち上がり
さらには、
お子さんを抱っこする為に
体幹を十分に支えられず
腰を反らせるような姿勢になり、
背部の筋肉の過剰な緊張を
招いたと考えられます。
[ ケアの指針とアドバイス ]
今、一番抱えている
膝の痛みを緩和させる為には、
足首の安定性と
重心の取り方のカラダへの再教育。
腹部の筋肉弱化を
回復させるようなケアが必要です。
帝王切開の傷周辺は、
筋膜の癒着が強く現れる部分でもあるため、
筋膜トリートメント、
腹筋弱化と足関節不安定性に
副次的にもたらされる
骨盤/腰痛の背骨の矯正が
必要となります。
セルフケアとしては、
腹筋群インアウトの強化、
お子さんを抱っこする姿勢に
注意が必要になります。
また、立ち上がる時に足首をかばい、
膝に負担がかかるような
立ち方をされているのも
訂正が必要になります。
カイロプラクティックにより、
身体的にかかるカラダへのストレスを
緩和させることは可能ですが、
子育てにおいての
睡眠不足、授乳による
身体的・精神的なストレスは
続く可能性があります。
そういったストレスは実は
カラダの回復に大きく関係するので、
パートナーや親族の支えがとても
大切でケアの一環となります。